娘が風呂でふざけて吠えていた。
「ぼぉぉお〜〜!」
とてもうるさいので、動物ドキュメンタリー風の解説を入れることにした。
私「ヌーの群れです。
リーダーが、群れに危険を伝えるために吠えています」
娘「ぶぉぉおぉぉぉ〜〜!」
私「どうやら、狼がヌーの赤ちゃんを狙っているようです(小声)」
娘「ぼぉぉおぉ〜〜!
ヌーの赤ちゃん、逃げてぇ!」
娘は動物の赤ちゃんが好きだ。
私「その頃、狼の巣では、狼の赤ちゃん達がお母さん狼の帰りを待っていました。
『おなかちゅいたよぉ
おかあちゃん、まだなの??
おにくたべたいよぉ』」
娘が悩み始めた。
私「どうする?
ヌーの赤ちゃんも食べられたら嫌だけど、お母さん狼がお肉を持って帰らないと赤ちゃん狼が死んじゃう」
しばらく考え込み、娘が答える。
娘「ヌーは、尻尾があるでしょう?
体を食べられたら死んじゃうけど、尻尾を食べられても、まあ困るかも知れないけど死にはしないだろうから、リーダーの尻尾をあげることにする」
へぇ!と思った。
私は、もしかしたら娘は泣くかもしれないと思っていた。
少し前の娘であれば、ヌーと狼、どちらの赤ちゃんも選べないと泣いたであろう。
現実離れした解決案ではあるが、彼女なりに考え抜いて妥協案を提示してきたことに感心した。
なお、ヌーの本当の鳴き声および、生態および、狼と生活圏が重なるか否かは知らない。