nicesliceのブログ

子供を見るか、子供の視線のその先を見るか

ソーイング・ビーがおもしろい

去年からソーイング・ビーを観ている。
Eテレで放送されているイギリスBBCのテレビ番組で、簡単に言うと裁縫のTVチャンピオンである。

www.bbc.co.uk


木曜21時から30分の枠である。
平日の21時といえば、昔から趣味百科、おしゃれ工房などで裁縫の手ほどきをしていた枠であるが、ソーイング・ビーは裁縫に生き残り型コンテストの概念を持ち込んでおり、新しい。
イギリス全土から集まった10人ほどの挑戦者たちは、様々なバックグラウンドを持っている。
高齢者もいれば、耳や脚に困難を抱えた人もいる。
男性も女性もいる。
型紙を用いない独自の技術をもって戦うアフリカ出身の挑戦者もいる。
彼らが皆対等な条件で戦うのである。

色々な服の作成過程を見ることができ、裁縫の実際的な勉強としても大変役に立つ。
Eテレで放映される際の用語監修にはあの文化服装学院が入っており、本気である。
『折り伏せ縫い』、知らなかったよ!

そして、どの作品もとてもお洒落なのである。
昔から不思議なのであるが、おしゃれ工房などで紹介される所謂『裁縫作品』って、どこか垢抜けないものが多くはないか?
裁縫の指導をしているような方は、元からお洒落や服が大好きで、恐らく文化服装学院やドレスメーカーやらバンタンデザインやらに通って、デザインと技術を勉強されたのであろう。
なのになぜ、多くの裁縫番組や手作り服の解説書は、やたら体の線を隠し、ずどーんとしたシルエットの服ばかりになってしまうのだ?

しかし、ソーイング・ビーは違う。
セクシーなラップドレスも作る。
ゴージャスなイブニングドレスも作る。
垢抜けない作品は生き残れない。
そうそう、こういう裁縫番組を求めていたのである!

そして何より、彼らの紳士的な態度にとても驚く。
どのような Class の人々なのかは知らないが、皆ライバルとしてより仲間のような関係で、脱落者に対して涙で別れを惜しみ、当の脱落者は

「脱落したのが私でよかったわ。
 他の誰も落ちるべきではないもの」

などと言うのである。
なんという紳士的な態度!
例え仮にそれが番組の意向と演出であるのだとしても。

先週私は、来月から放送される新しいプリキュアの衣装を娘の為に作っていたのであるが、夜中に作業しながらこの番組を観ていると実に心が満たされるのを感じる。
自分も彼らと一緒にミシンを踏んでいる気分だ。
口調が吹き替え調になり、女性司会者クラウディアと脳内で会話すら始まる始末である。

「やだわ、また提灯袖。
 プリキュアって提灯袖ばっかり!(肩をすくめながら)」
「子供達が起きてくるまでに作れそう?」
「去年作ったキュアセレーネとキュアトゥモローの袖の型紙を流用すれば……、なんとか間に合うと思うわ!(微笑を作り2回頷く)」

こうしてクラウディアの励ましと仲間の挑戦者たちの存在のお陰で眠い中でも何とかモチベーションを保ち、今年も2月からの放送開始前にプリキュア衣装を完成させることができた次第である。

そうそう、Eテレは、『キッチン戦隊クックルン』シリーズの衣装の作り方を解説する番組をやったら良いと思います。

 

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