nicesliceのブログ

子供を見るか、子供の視線のその先を見るか

『じっこ』と『じゅっこ』

子供が観ていたYouTubeで、お菓子が『十個』あってなんたら、という歌詞の現代風の童謡が歌われていた。
歌詞の字幕は『じゅっこ』となっていたが、タイトルは『じゅっこ』の後ろに丸括弧付きで『じっこ』と書かれていた。
へえ、日本語の誤用が蔓延りまくる魔窟YouTubeにしては珍しく、ちゃんと『じっこ』と読むことを知っているのか、そして多くの人が『じゅっこ』と読むことを見越して両方を採用しているのか、お主なかなかやるな、と思った。

ご存知の通り、『十個』は教科書的には『じっこ』と読むが、現代では多くの人が『じゅっこ』と読む。
ネットで色々調べると、『十』は元々『ジフ』や『ジプ』と呼んでおり、後ろにつく語によりそれが詰まれば『ジッ』となるのは当然であり、やがて『十』の発音が変わり『ジュウ』となり、それに伴い現在では『ジュッ』と発音する人が多くなったものの、元々は『ジッ』と読むのが正しかったのであるから、『ジッ』こそが唯一絶対の正義であり、『ジュッ』は間違いなのだ、ということである。

いやいや、ちょっと待って!
『ジフ』が『ジュウ』に変化し、それが正規の仕様として確定したのならば、それに伴い『ジッ』が『ジュッ』と変化したのも正規の仕様として展開すべきなんではないの?
こういうのを、システム開発的には『仕様の横展開漏れ』などと言う。
横展開とは、ある機能に加えた修正や変更を、関連または類似する他の機能にも適用して、システム全体として整合性が取れるようにすることである。
『じっこ』『じゅっこ』の問題に関しては、横展開漏れを起こしたしたヤツこそが○○○なのであって、実運用で既に新仕様に合わせた横展開が事実上問題なく適用されており、それどころか実運用と仕様書の差異が学校など一部の現場で混乱を生んでおり、仕様書のみが古いままなのであれば、仕様書の方をさっさと直せよ、という話である。
何でも古きに合わせるのが良いのであれば、『〜します』なんて省略語、絶対使えないんだからな!
『〜致し申し候』ってちゃんと言えよ!
『ちょうちょう』なんで書かずに『てふてふ』って書けよ!
あと、今は『いずれも』が正しいってことになっているけども、歴史的には『いづれも』と書かれていたんだから、何でも歴史的に古いものが教科書的にも正しいってわけじゃないんだからな!

などと言いつつも、今日も絵本(福音館書店のちゃんとしたやつである)を読みながら、『〜したり、〜した』という記述をさりげなく『〜したり、〜したりした』とさりげなく直して読み聞かせているのである。

 

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