nicesliceのブログ

子供を見るか、子供の視線のその先を見るか

ポケモンタイピングの話

皆様、ブラインドタッチができるようになったのは何歳くらいだろうか。
私は、たしか6歳くらいからタイピングソフト(タイムが悪いと「遅いですね、足で打っているのですか」などと聞いてくる挑発的なソフト)で練習をしていた。
でもそれは何も、将来のことを考えてなどでは全くなく、娯楽の一つとしてであった。
そして、なんとなくブラインドタッチっぽい何かを覚えたものの、飽きるとともに忘れ、指もキーを忘れ、やがて『ブラインドタッチを出来る人ってすごいなぁ』などと他人事のように思う子供時代を過ごした。
その後、大学生となり、XMLタグを打ち込むバイトをしたり、日記を書いたり、メールを書いたり、レポートを書いたりしているうちに自然に覚えていた。
必要があれば覚えるものだ。
誰しもそんなものなのではないだろうか。

子供との出かけ先で少し話した見知らぬ子供のお母さんに、世間話がてら、今の小学生にはPCが貸与されるという話をしたところ、大変驚かれて、

「あの、それじゃあ、PCを買って練習とかさせた方がいいんですかねぇ?」

とおっしゃった。

「???」

一瞬意味を計りかねたが、そう、彼女は、3歳くらいの自分の子に、小学校に入ってからPCの使用に困らないように、今から先取り教育をさせた方が良いのではないかと心配されているのである。

学校の勉強を、未就学児のうちから先取りさせようという考えがあることは知っている。
私も、ひらがなカタカナくらいは未就学児のうちに教えたし、幼稚園のオプションで英語も習わせていた。
その考えは否定しない。
しかし。
3歳児にPCの先取り教育とは……!
そんなに学校教育が、教師の手腕が信用ならないか!?
それとも自分の子の能力に不安があるのか?
私は、夫と自分がコンピューター関連の仕事をしている(いた)こと、そんな環境であっても、未就学児にPCの練習など一切必要ないと考えていることを話した。
そして、我々のような人間の考えることといえば、せいぜい、『そういう親達の不安を巧みに煽り、未就学児向けプログラミング教室などを展開しお金を儲けようとすること』であることは、黙っておいたのである。

さて、つまり私は自分の子たちにいち早くPCの使い方やブランドタッチを覚えて欲しいなどとは特に思っていないのであるが(だって必要があれば覚えるはずだから)、娘がふとしたことからタイピングソフトに興味を持ってしまったので、良いタイミングだから与えることにした。
Switch向けに最近発売されたものがあるようだが、よく調べると、昔、DS向けにポケモンタイピングというソフトが発売されたようである。
Bluetooth キーボードが同梱されているという。
Bluetooth
はて、DSはBluetoothに対応していただろうか?
調べる過程で、開発者へのインタビュー記事を発見した。
そう、DSはBluetoothに対応していないのである。
では、どうやって送受信するというのか。
なんと、ソフトのカードリッジの中にアンテナを押し込んでいるそうである!

な、な、なんたる変態!!(褒め言葉)

これには夫も私も腰を抜かした。
カードリッジの中に何かを押し込むというのは、はるか昔『天外魔境ZERO』というSFCソフトにて、時計を押し込んでゲーム内時間と現実時間を連動させるということをやっていたが、それ以来の衝撃である。
普通、我々凡人技術者の発想では、デバイス本体にない規格でデータをやりとりしなくてはならないとなったら、拡張スロットに受信機などの周辺機器を差し込むことを考える。
それを、あの小さいカードリッジに受信機を入れてしまおうというのは、変態にも程がある。
流石、天下の任天堂
もはや、娘に与えるとか与えないとか関係ない。
速攻でポチった。

娘はポケモンの出てくるタイピングソフトに喜んだり飽きたりやったりやらなかったりであるが、こんなソフトをゲットできて私は大満足なのである。