携帯電話に、よく、マンション投資のセールス電話が掛かってくる。
私にしてみれば、そんなうまい儲け話があるのならあなたがやれば、という話であるので、決して買うことは無いのであるが、一応たまに出る。
一通りの口上を聞いたのち、
「どなた宛てにお掛けですか?」
と聞くと、切られる。
彼/彼女らが見ているのは電話番号のリストであり、私の個人名など知らないので、答えられないのだ。
「分かりません……」
と悲しげに答えられた時などは、こちらも悲しくなった。
若者よ、、強く生きて欲しい。
また、こちらが出て「はい」と言った瞬間に切られる事もある。
切られた後に電話番号を調べると、やはりマンション投資セールスであることが分かる。
何故、切るのかを考えると、彼/彼女らの想定するユーザーターゲットに私が含まれないと判断されたから、という事になろう。
しかし、判断材料として私が与えたのは、「はい」という一言、ただこれだけである。
だとしたら、彼/彼女らは、私の声が女だから、ユーザーターゲット外であると判断し切ったのだという事になる。
これは腹立たしい。
女である私には、投資をする資金も、誰にも相談せずに投資用マンションを購入する自己決定権も無いと思っているのか。
私は絶対買わないが、買う女だって居るかも知れないだろうが。
そんなにすぐに諦めるなよ!
なんかこれは非常に心外だ。
日頃生活をしていて、『幼児を育てている女は、男よりも所得が低い』みたいな思い込みによって軽く扱われているなー、と感じる事がたまにあるが、それに近い嫌さだ。
まあ、知らない相手に憤ったところで虚しいだけであるので、女がマンション投資セールスのユーザーターゲットから外れているのは、過去の賢い女性達が悉くそれらを断ってきた素晴らしい歴史の蓄積があるからなのではないか、という前向きな推測に置き換えておこうと思う。