nicesliceのブログ

子供を見るか、子供の視線のその先を見るか

『子供は病院が休みの時に限って体調を崩す』は真実か?

子供を産んでからずっと、不思議だったことがある。

子供って、病院が休みの時に限って体調を崩したり怪我をしたりしないか?

夜更け、連休中、土曜日の昼下がりなど。
痛くて、苦しくて、泣いている子供を見ながら、スマホで病院を調べて『診療時間外』の表示ばかり見る時の絶望感よ。
自分のことであれば、『まあこのくらいの症状であれば死ぬことはないし』と、次の診療開始まで待つ心の余裕がある。
しかし、自分ではない、しかも自らの症状を的確に表現する言葉をろくに持たない、しかも、ちょっと油断するだけで死のリスクがある乳幼児を相手に、ジリジリとただ経過を見守ることしか出来ない時の焦燥感よ。

子供って本当に、病院が休みの時に限って体調を崩したり怪我をしたりする気がする。

なぜなのか。
『連休中に体調を崩したり怪我をしたりしやすい要因』として考えられるのは、

・慣れないことをしたり、いつもと違う場所で過ごしたりするから

であるかも知れない。

私の子供達は、連休などで実家に連れ帰ると、かなりの確率で熱を出したり怪我をしたりしていた。
熱は、楽しいイベントがあることを前もって教えておくと、当日の未明や早朝に熱を出す『楽しみ熱』として現れた。
怪我は、ふだん乳幼児がいない家では乳幼児の安全を守るベビーガードなどの各種安全策が取られていない為に発生したり、見慣れない設備に興味を惹かれて不用意に触れることで発生したりしていた。

しかし、別に連休中以外に自宅で過ごしているような場合でも、病院が休みの時に限って体調を崩したり怪我をしたりする気がする。
これについてはどう説明するのか。

私は、まず病院が、どれだけの時間開いているのかを調べてみた。

ネット上で適当に検索した小児科Aの診療時間を調べる。
Aは、午前の診療が3h, 健診や予防接種の時間が2h, 午後の診療が1.5h であった。
休診日を加味すると、一週間のうち、24hが、一般診療時間であった。
ただし、診療開始前の1.5hくらいは、心理的には「あと少し待てば病院が開く」という時間と言えるだろうから、午前と午後の各1.5hを、プレ診療時間として診療時間に計上すると、一週間のうち、15hがプラスされ、トータル39hが、『よかった、病院開いてる』または『よかった、もうすぐ病院開く』の時間となる。

次に、一週間のトータル時間であるところの24*7=168のうち、子供に怪我や発熱が発生する時間帯が何時間あるのかを計算する。
乳児のうちは、夜中も頻回に起きるため、そのタイミングで親が子供の発熱に気づく場合も多いが、幼児になってくると、少なくとも、2時とか3時のガチ夜中に発熱に気づくということは少なくなるように思う。
また、怪我も、活動を停止する就寝時間中には発生しにくいことから、23時〜6時を発生時間帯から外してもまあ良いかなと思う。
すると、一日のうち、上記を除く17hが、怪我や熱の好発時間と言える。
つまり、
17*7=119h
が、一週間のうち、怪我や熱の発生が主に期待される時間数である。

次に、一年のうち、盆、正月、GWに、それぞれ1週間ずつの休診日があるとする。
一年間は約52週であるから、一年のうち診療時間とプレ診療時間を合わせた時間数は、
39*(52-3)=1911h
である。
一方、一年間のうち、怪我や熱の好発時間は、
119*52=6188h
である。
すると、怪我や熱が発生した際にAが診療時間またはプレ診療時間である確率は、
1911 / 6188 * 100 = 30.88 %
である。
つまり、子供が「ぎゃー!」となって「すわ病院!」となった際、「よかった、病院開いてる!」または「よかった、もうすぐ開く!」となる可能性は約30%であるということだ。
10回中、7回は、「なんで、よりによってこのタイミングで!」となるわけであるから、そりゃ、
『子供は病院が休みの時に限って体調を崩す』
というイメージになるよなぁ。

なお、Aは健診と予防接種に時間を割いているぶん特殊であるとして、別の病院B(内科、小児科併設)をもとに再計算してみたが、Aに比べて休診曜日が多いことにより、結果の数値は同じであった。

最後に。
私は、日本の医療体制は世界的に見ても素晴らしい部分が多いと考え、日々感謝している。
牛に乗って半日移動し、さらに待合室で8時間待つみたいな状態じゃないし。
この記事は、子育てに伴う素朴な疑問に数値的裏付けがあるのかを自分なりに考察してみただけに過ぎない。
日本の医療体制を批判するものではないことを付記したい。

 

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