これも新型コロナ禍以前に書いた記事である。
『娘や夫が帰宅』というのは、当時は幼稚園も会社も通常運転だったためだ。
私は、一日中片付けをしている。
常におもちゃを広げておきたい2歳の息子。
私はその後ろを追いかけるようにして、使い終わったおもちゃを片付ける。
片付けているすぐ後ろで、新たにおもちゃをひっくり返す音が聞こえる。
その繰り返しだ。
一日中、息をするように片付け続けないと、すぐに部屋が滅茶苦茶に荒れてしまう。
なお、娘は散らかさない。
散らかすとすぐさま息子にいじられる事が分かっているからだ。
その日私は、体調不良で何もやる気が出なかった。
一日何セットもの片付け。
一日中片付け。
散らかす息子を追いかけ回しての片付け。
一日が終わり、良くてゼロリセット、悪くて悪化。
朝から晩まで何セットも何セットも片付けを繰り返しているのに、何も労働をしなかったかのような結果。
夫は部屋の散らかりを気にしない。
綺麗な部屋で生活したいというのは私だけの願望?
では、私がそこを諦めてさえしまえば、問題は存在しないも同然ということだ。
私は丸一日、片付けることをやめた。
部屋は、あっという間にブロックやレールや積み木や汽車のおもちゃでいっぱいになった。
帰宅した娘も夫も、皆がおもちゃを踏み、つまづいた。
世の中には、『片付けなくても掃除が出来る』ということが売りのロボット掃除機があるようだ。
CM動画も見たが、私にはあれが幼児の居る家の『片付けない』状態には見えない。
え、まあまあ片付いてるじゃん、という印象だ。
細かいおもちゃが散乱していないし。
タオルなんかもきちんと畳んであるようだし。
我が家では普通、この状態の洗濯物が床に存在している作業フェーズは存在しないけども。
床の上のおもちゃを避けて走るそうであるが、片付けない我が家は、部屋中にまんべんなくブロックやレールが広げられ、ロボット掃除機のサイズを超える空白地帯がない。
幼児の居る我が家の『片付けない』状態は、そのくらいだ。
ベタベタの小麦粘土の断片は?
4ミリくらいの石炭を模したボールは?
本当に、片付けなくても、掃除してくれるのだろうか。
それとも、広告のどこかに2ポイントくらいの文字で私の知らない『片付けない』の定義が書いてあるのだろうか。
それとも、うちの『片付けない』状態が特別凄まじいのだろうか。
落ち込んでしまう。
結局私はあまりに体調が悪く、申し訳ないが先に寝かせてもらった。
その日は、夫が音頭を取り三人で片付けをしてくれたらしい。
それから、息子は少しずつ片付けを出来るようになった。
使い終わったおもちゃをすぐに片付ける、という事は出来ないものの、寝る前に私が
「片付けが終わったら皆で肝油ドロップを食べよう!」
というと、積極的に片付けてくれるようになった。
娘も手伝ってくれる。
ありがたいことだ。