nicesliceのブログ

子供を見るか、子供の視線のその先を見るか

幼稚園のお迎えは母親が行くのがデフォなの?

我が家では、幼稚園への送りは私が、迎えは夫が担当している。
この幼稚園のルールでは、母親以外の人間が迎えに行く時は、あらかじめ園に連絡した上で、証明書を示して子を引き渡してもらう事になっている。
毎日毎日、「今日は夫がバス停まで子供を迎えに行きます」と伝えなくてはならない。
一方母親は、連絡も証明書も無くお迎えが出来る。
なんで母親と父親で扱いが違うねんといつも思っている。

他にも、古い価値観の園であるためか、母親参観は平日に行われ、母親の料理と洗濯に伴う匂いを讃える童謡が歌われ、『お母さんの作る料理で一番好きなものは?』という子供へのアンケート結果が発表される。
私は、参観のために平日仕事を休み、「うちは夫が料理担当なんだけどな」と内心思う。

一方、父親参観は土曜日に行われ、強いパパが云々、偉いパパが云々という、家父長制とマチズモを礼賛する童謡が歌われ、『お父さんのカッコいいところは?』というアンケートの結果が発表される。
続く折り紙の授業では、男児には青色の、女児にはピンク色の折り紙が配布される。
夫は、土曜日、仕事を休む事なく参観に参加できる。

PTAの役員決めに参加しているのは、ウチ以外母親ばかりだ。
クラスのグループLINEも、母親ばかりが登録しており、絵文字満載の女子高生のような文面のメッセージが他の母親から飛んでくる。
事務連絡にも関わらず要点がまとまっていない。
おぬし、ビジネスでもそんなメール書くんか。
そんな女子高生的グループに入りたくなくて、毎年新年度を迎える度、前年度のクラスLINEから早々に抜け、
「夫がアサインされろ、夫がアサインされろ」
と念を送るが、どこからどう個人情報が漏れているのか、何故か毎年、夫ではなく私にクラスLINEグループへの invitation が届くのである。
超こわい。

斯様に徹頭徹尾、昭和型の働く父親と専業主婦/準専業主婦的母親といった家庭に最適化された、ジェンダーバリバリの昭和的な園なのである。
預かって貰っているのはこちらなので、その方針に文句は言わないけれども。

ある日のことだ。
夫が体調を崩していたので、私が子供をバス停まで迎えに行った。
バスに乗った先生は、子供を引渡しながら、笑顔で
「間に合ったんですね!」
と言った。
私は、突然の言葉に意味がわからなくて
「え?え?」
と挙動不審になってしまった。
間に合ったって、一体、誰が、何に?
先生はもう一度、
「朝、旦那さんがお迎えに来るって聞いてましたけど、間に合ったんですね!」
と言い、主語も目的語も不明な中で何も分からず何を答えていいかも分からないでいる私を置いてバスで去っていった。

後でゆっくり考えてみると、先生が仰りたかったのは、
「お母さん(私)がお迎えの時間に間に合ったんですね!」
という事なのだろうか。
しかし、私は、別にどこか家の外に働きに出ているわけではない。
お迎えの時間に間に合わないから夫にお願いしているワケではない。
私は家で仕事をしているし、特に当該時間にミーティングが入っていなければ、毎日迎えに行く事だって出来る。
同じく家で仕事をする夫が毎日迎えにいっているのは、単にそのような分担だからに過ぎない。
これが男女逆であった場合、先生は夫に
「間に合ったんですね!」
と言ったであろうか。
それとも
「お母さんに何かあったんですか?」
と言っただろうか。

件の先生は、母親と父親、どちらも迎えに行ける条件であれば、すべからく母親が迎えに来るべし、というお考えをお持ちなのだろうか。
一体どのような根拠をもとに?
そして、私ではなく夫が迎えに行っているというだけで、私が当該時間に留守であると、勝手に推測して決めないで欲しいと思う。